「白い巨塔」 山崎 豊子

<ネタばれ>
山崎さんの小説は難しい内容にも関わらず、わかりやすいのでとても好きです。
けれど財前教授のことは最後まで好きになれませんでした。彼の弱い部分や母親に対する思いやりも見えたけど、あの目上の人に対する媚びようと目下の人に対する見下しようは見ていて気分が悪くなりました。
それと反対に里見さんは大好き。

家族のことを1番に考えたら確かに彼は手を出すべきじゃなかったのかもしれない。
それでも、彼以外に遺族を助けられる人はいないという事実に直面して、医師生命をも捨てる覚悟で正面から立ち向かっていく姿は本当ににかっこよかった。

「僕は学問的業績に埋もれた医学者である事より、無名でも患者生命を大切にする医者である事を選ぶ」
と言える彼の強い信念が多くの人に影響を与えることができたのだと思う。

その信念に影響された人の1人、佐知子の言った「自分が出来る時力を貸すのは誰でも出来る事で、自分が出来ない時にでも何とかしてさしあげるのがほんとうの尽力というものではございませんかしら」という言葉には、改めて気づかせてくれるものがありました。

医者は、癌患者に対して徹底的にその人が癌であることを隠します。
患者にショックを与えない為にそうするんだろうけど、私だったら知らせてくれた方が嬉しいのに。
死ぬことがわかってるならなおさら。

★★★★☆

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