「きみのためにできること」 村山 由佳

最初のメールのやり取りが微笑ましくて照れくさくて、つい顔がほころんでいました。
5年経ってもなおあんな風な関係でいられるっていいな、と素直に思いました。
私が遠距離恋愛をしたことがあるからか、どうしても気持ちがピノコに偏ってしまっていた気がします。
だから、展開が読めてたとはいえ悲しくなったり。

最後、俊太郎が「どんなに思いのたけをつづった手紙でも、相手が30秒抱きしめてくれる温かさにはかなわない」と気づきピノコの元へとバイクを走らせる場面が好き。
ここでやっと止まってたピノコと俊太郎の時間が再びゆっくりと流れ出すのを感じました。

どれだけ大事に積み上げてきたつもりでも、なくなる時は一晩。なくなってしまえばおんなじよ。

実際、どんなことでもして奪い取るくらいに考えないと、欲しいものなんて何ひとつ手に入らないのよ。

お互いに好きになり、想いを深め、体を重ね合って・・・相手の何もかもを手に入れたつもりでいても、それはたぶん錯覚なのだ。人の心なんて不確かなものだ。今は好きだと言っていても、愛していると言っていても先のことまではわからない。相手を信じるしかないとおもっても、信じている自分の心の方が変わらないという保証はどこにもないのだ。

★★★☆

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