「バッテリーⅥ」 あさのあつこ

「おれはピッチャーです。だから、誰にも負けません」いよいよ、巧たち新田東中は、強豪・横手二中との再試合の日を迎えようとしていた。試合を前に、両校それぞれの思いが揺れる。

巧と豪を案じる海音寺、天才の門脇に対する感情をもてあます瑞垣、ひたすら巧を求める門脇。そして、巧と豪のバッテリーが選んだ道とは。いずれは…、だけどその時まで―巧、次の一球をここへ。大人気シリーズ、感動の完結巻。

どこまでも濃い、1年間でした。

ついに迎えた最終巻。
横手との試合の日もついに当日を迎えます。 続きを読む

「No.6 #1」 あさのあつこ

2013年の未来都市《NO.6》。
人類の理想を実現した街で、2歳の時から最高ランクのエリートとして育てられた紫苑は、12歳の誕生日の夜、「ネズミ」と名乗る少年に出会ってから運命が急転回。
どうしてあの夜、ぼくは窓を開けてしまったんだろう? 飢えることも、嘆くことも、戦いも知らずに済んだのに……。

あさのあつこが描く「破滅」と「希望」の物語。

希望はあるのか、考えさせられる物語です。

美しく衛生的、そして安全な理想都市No.6が舞台です。 続きを読む

「バッテリー Ⅴ」 あさのあつこ

「おれは、おまえの球を捕るためにいるんだ。ずっとそうすると決めたんじゃ。何があってもそうするって…本気で決めたのに」

天才スラッガー、門脇のいる横手二中との再試合に向け、動きはじめる巧と豪。
バッテリーはいまだにぎこちないが、豪との関わりを通じて、巧にも変化が表れつつあって―。
横手の幼なじみバッテリーを描いた、文庫だけの書き下ろし短編「THE OTHER BATTERY」収録。

見ていてハラハラする関係に、囚われます。

そうか、ちょうど1年が経つのか、巧がこっちに来てから。
随分と成長をした1年でしたね。巧だけじゃなくて、豪も、なにより青波も。 続きを読む

「バッテリー Ⅳ」 あさのあつこ

自分の限界の先を見てみたい。
ここまでだと自分の力を見切った、その先に行ってみたい、超えてみたい。

あきらめて、誰かが敷いてくれた安全な道を行くのではなく、誰も知らない未来に自分を導いてみたい。シリーズ第4弾。

やっぱり、言葉が刺さるシリーズ。

久しぶりのこのシリーズ。
前巻を読んでから既に2ヶ月以上経っているのに驚きますが、ページを開けばすぐにこの世界にのめり込める。
4巻は、触れてはいけない空気を孕んだ、緊迫した物語の始まりでした。 続きを読む

「バッテリー Ⅲ」 あさの あつこ

「巧。おまえにだけは、絶対負けん。おれが、おまえにとってたったひとりの最高のキャッチャーだって心底わからせてやる」

三年部員が引き起こした事件によって活動停止になっていた野球部。
その処分明け、レギュラー対一年二年の紅白戦が行われ、巧たちは野球が出来る喜びを実感する。
だが未だ残る校長の部に対する不信感を拭うため、監督の戸村は強豪校、横手との試合を組もうとする…。
一方、巧と豪の堅かった絆に亀裂が入って!?

青波の視点から描かれた文庫だけの書き下ろしは必読です

少年たちの息づかいと、空気の透明感と、昆虫たちとの距離がすごくリアルでふいにタイムスリップして昔に戻ったかのような感覚に陥ります。
あさのさんの言葉選びがすごく好きです。

さて、白熱した紅白戦もおもしろければ、例の試合もわくわくするし、野球って楽しいかも・・・!と素人にも思わせてくれます。年に1回くらいは野球観戦に行きますが、こんなに近い目線で野球を感じることってないですからね。
これがまた新鮮です。小説ならでは。 続きを読む

「バッテリーⅡ」 あさの あつこ

「育ててもらわなくてもいい。誰の力を借りなくても、おれは最高のピッチャーになる。信じているのは自分の力だ―」
中学生になり野球部に入部した巧と豪。二人を待っていたのは監督の徹底管理の下、流れ作業のように部活をこなす先輩部員達だった。
監督に歯向かい絶対の自信を見せる巧に対し、豪はとまどい周囲は不満を募らせていく。そしてついに、ある事件が起きて…!

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「バッテリー」 あさのあつこ

この1冊を書き上げたとき、わたしはマウンドに立っていた。異議申し立てをするために、自分を信じ引き受けるために、定型に押し込まれないために、予定調和の物語を食い破るために、わたしはわたしのマウンドに立っていたのだ。

―――あとがきより

そうだ、本気になれよ。関係ないこと全部すてて、おれの球だけを見ろよ。

第35回(1997年) 野間児童文芸賞 受賞

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「桃の花は」 あさの あつこ

とうとう、ほっと文庫シリーズ最後の1冊です。
このシリーズ本当に大好き!
他の作家で、違う香りで第二段をぜひやって頂きたいです。

あさのあつこさんのほっと文庫は、「桃の香り」、ではなくて「桃の花の香り」。
ふわっとお風呂場に花の香りが広がります。
濃いピンク色の湯船に浸かって最初の2ページを読んだ時点で、あまりにも情景が美しくて感動しました。
ほっと文庫の良さは、付属の入浴剤を使いながら湯船でまったり読むことでより味わえると毎度のことながら思います。

小説の方は、最初の2ページの情景を書きたいがために、あるいはその情景からインスピレーションを受けてそれ以降を書きあげたんじゃないかという内容。
最後の展開は、思わず「えー・・・?」と、しっくりこないまま終わりました。

ようやくスタートラインに立てた彼女ですが、個人的にはもうゴールさせてあげて欲しかった。
とはいえ、これがもう少し長いお話だったらまた違ったはず。
ですが、美しい情景の余韻をお風呂で十分に楽しめました。

空は高く、蒼かった。あまりに蒼過ぎて、碧がかってさえ見えた。
今なら蒼穹という言葉を知っている。碧空という言葉も知っている。
あのときはまだ、知らなかった。  (P2)

★★★☆

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