「野蛮な読書」 平松洋子

沢村貞子、山田風太郎、獅子文六、宇能鴻一郎、佐野洋子、川端康成…海を泳ぐようにして読む全103冊、無類のエッセイ。

本はいつも、知らない世界を見せてくれる

小説だけでなく、写真集から歌集まで幅広い本に触れて書かれたこのエッセイ、贅沢にもそれぞれの章で4、5冊の本に触れています。 続きを読む

「日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ」 森下典子

お茶を習い始めて二十五年。就職につまずき、いつも不安で自分の居場所を探し続けた日々。
失恋、父の死という悲しみのなかで、気がつけば、そばに「お茶」があった。
がんじがらめの決まりごとの向こうに、やがて見えてきた自由。

「ここにいるだけでよい」という心の安息。
雨が匂う、雨の一粒一粒が聴こえる……季節を五感で味わう歓びとともに、「いま、生きている! 」その感動を鮮やかに綴る。

読むだけで、幸せになる。

これは、ものすごくよかったです。
20歳から25年お茶を続けた著者が綴った、お茶の世界。小難しい話は一切なくて、始めたばかりの頃の「なぜ?」という疑問や驚き、少しずつ広がりを見せていくお茶の世界、研ぎ澄まされていく五感…縁のなかったお茶の世界を知れて、その深さにとても感動しました。
読み返そうとして、鳥肌が立ってしまうくらい。 続きを読む

「広告ガール」 はあちゅう

カリスマ女子大生ブロガーとして、出版、商品プロデュースなどマルチに活躍した「はあちゅう」が、大学卒業後は大手広告代理店に就職。
会社で見るもの聞くもの全てが新鮮=わからないことだらけ!!
「仁義を切る」「刈り取る」「傾斜をつける」……ってナンデスカ!?
ネタに事欠かない人生を送る著者のターニングポイント、家族や友人のアリエナイ話も掲載。

大手広告代理店の日常を覗き見たい方は、必見です!

おもしろい!元気になれるKindle本

テンポがよくてノリがいい、当時24歳、広告代理店に勤務していたはあちゅうさんが書いたエンタメ系エッセイ。
普段からよくはあちゅうさんの文章を読んでいますが、これはまた特に文章がノリノリで、読んでいて笑ってばかりでした。 続きを読む

「時をかけるゆとり」 朝井 リョウ

あの、最年少直木賞受賞作家が、天与の観察眼を駆使し、上京の日々、バイト、夏休み、就活そして社会人生活について綴る。
「ゆとり世代」が「ゆとり世代」を見た、切なさとおかしみが炸裂する23編。

”圧倒的に無意味な読書体験”があなたを待っている!?

朝井さんのキャラがツボすぎて・・・、たくさん笑ったエッセイです。

『学生時代にやらなくてもいい20のこと』 が、文庫化されるに伴い改題されたものがこちら。
単行本のエッセイに加えて、直木賞受賞時のエッセイ3本が加わっています。
この「時をかけるゆとり」というタイトル、ものすごくいいですよね!表題と中身もぴったり!ページを開くと朝井リョウさんの楽しい年表も見れます。 続きを読む

「女(じぶん)を磨く 言葉の宝石」 白木 夏子

世界と日本を行き来しながら仕事をする、白木夏子氏が
そのなかで経験した大切な出来事を12の物語として紡いでいます。

ひとりでも多くの人が
「この世界も、まだまだ捨てたものじゃないな」
と、まだ見ぬ出逢いにわくわくしながら
前向きに、宝石のようにキラキラとして
生きられる気持ちを
見つけられますように。

それぞれの月の誕生石をテーマに著者が綴るエピソードは、世界中が舞台で、1つ1つの宝石の魅力がありありと伝わる素敵なお話でした。

誕生石。それぞれの宝石に対して、どんなイメージを抱くでしょうか。どんなエピソードがあるでしょうか。
そう問いかけられてもぱっと頭に浮かぶものがないのですが、白木さんはどの石に対しても愛情深く魅力的に伝えていて、思わずほうとため息をつきたくなるほど。

・ガーネットは今あるこの瞬間を大切に生きたいとき、身につけるのにとてもふさわしい石さと思う (位置No.144)

・愛と慈しみ。天から大地に降り注ぐ、優しい雨露のような石。 (位置No.169) (アメジストについて)

・真珠。黒髪となめらかなアジア人特有の肌に、控えめな印象を上品に彩る、日本人に最もよく似合う宝石。 (位置No.151)

石の魅力に引き込まれるだけでなく、そもそも石は鉱山で採られ、カットされ研磨され、どんな小さな宝石でも人の手が加わって世に出てきますが、普段は意識することのないその過程に、石が採れる世界中の産地について垣間見れることがとても新鮮でした。

小さなお子さんがいながら、今でも世界各地に趣いて、作っている人の顔を見るということを大切にされているのは、エシカルで良いジュエリーを作りたいがため。
そんな強い想いとプロ意識が本当に格好よくて。

どの章も本当に素敵ですが、一番好きなのはアメジストの章。白木さんが尊敬するお母様についてのエピソードが書かれていて、信念のある言葉が素敵で背筋が伸びつつ、世代を通して受け継がれている愛情を感じて心が温かくなりました。

マイルールと称して、ジュエリーの楽しみ方が各章の間に書かれているのも必見です。
まだ先の話にはなるけれど、40歳になる記念にHASUNAのアクセサリーを買いに行こうと決めました。

Kindleで読んだのでいつでも見返せて、大切に手元に残して置けるのが嬉しい1冊です。

「常に美しいものに触れなさい。毎日の積み重ねが血となり肉となり、年を重ねたときに、それはあなたの魅力になって出てくるでしょう」  (位置No.191)

★★★★

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「世界中で迷子になって」 角田 光代

旅の途中で、通勤電車の中で、疲れて帰ってきた夜に、旅先で寛いでいるときに…。
大人気作家、角田光代さんの言葉は、面白くてしゃれっ気たっぷり、いきいきと心に届きます。
意外にお茶目でひょうきんな一面も。難しいことは忘れてゆるーく楽しめる、そして、ハッとさせられる奥深さもある友達のような一冊です。


これは、おもしろい。
初めて読んだ角田さんのエッセイですが、読みやすいし、「わかるわかる」がたくさんあるし、思わずくすっとしてしまうところもあって夢中になって読みました。
前半は「旅」に関して、後半は「モノ(お買い物)」に関して。

角田さんのエッセイを読んだことのない私はよく知らなかったのですが、角田さん、バックパッカーとして世界中を旅されてたんですね。旅関連のエッセイを何冊も出されていることを今回初めて知りました。
世界中の国で出会った美味しいもの、お酒、空気感、今すぐにでも旅に出たくなるくらいわくわくしました。

クラムチャウダーが名物料理だというシアトルには一度行って、是非とも味わいたい。
それに、キューバの「グラスにミントの葉をぎゅうううっと入れ、砂糖とライムを加え、すりこぎ状のものでがりがり潰す」モヒートも飲みたいし(夏はモヒートに随分ハマった)、インドやトルコでチャイを飲み歩きたい。

それから買い物編も楽しい。
私も道具から入るタイプなので、ものすごく共感。それに本や飲み代にお金を惜しまないところも、わかるわかる。著名な作家さんだからお金もいっぱい持ってるんでしょ、と思いきや、実際たくさん持ってはいるのだろうけれど、金銭感覚が私と大差ない。
そして、この本を読んだ今「だしポット」が無性に欲しくてたまらない。意外と高い、のだけど、そんなに角田さんが絶賛するなら買ってみようかしら、なんて。

うきうきわくわく、世界を旅するように楽しくよめて、気分転換にもぴったりな1冊でした。

★★★★

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「聡明な女は料理がうまい」 桐島 洋子

すぐれた女性は必ずすぐれた料理人である。
「果敢な決断と実行」の連続である料理について、1937年に生まれた著者が愛情を込めて書き綴るエッセイ。


ブックフェアのアノニマ・スタジオさんのブースでお勧めしてもらって購入しました。
著者は桐島 洋子さん。
1976年に発行された本の復刻版です。

この本で初めて著者のことを知りましたが、調べれば調べるほど自由奔放でおもしろい女性です。
そんな彼女のユーモアと機知に富んだ内容が詰まった1冊で、ここのところ料理に前向きなのは間違いなくこの本の影響です。
冷蔵庫にあるものでささっと料理を作れる女性、心から楽しめるホームパーティを主催できる女性、素敵ですよね。

料理が得意な人であれば、本書に書かれている食材の分量を見ながら料理が作れるのでしょうか。
私はとてもそんなレベルではないものの、美味しそうな料理を頭の片隅にメモして、想像し、自分もまずは何か作ってみようという気にさせられます。
そして注目すべきはこれが単なる料理本ではないところ。料理という軸を通して、世界を駆け抜けた女性の生き様に触れられます。

初めて刊行されてから30年弱経ちますが、ちっとも古臭くなく、色褪せない1冊です。
面倒くさいな、料理とか。なんて思ってしまう時は、この本を読んで背筋を伸ばしたいと思います。

ある欲求を満たすことによって得られる喜びの価値と、その欲求のためにみずからが支払うものの価値とにバランスを維持するのが健康な平衡感覚である。
しかし自分自身が価値を生み出す人でなければ、こういう健康な平衡感覚は持ちえない。 (p132)

★★★★

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「野心のすすめ」 林 真理子

「有名になりたい」「作家になりたい」「結婚したい」「子どもが欲しい」
――無理と言われた願望をすべて叶えてきた人気作家による「夢を実現させるヒント」。
「やってしまったことの後悔は日々小さくなるが、
やらなかったことの後悔は日々大きくなる」をモットーとする作家・林真理子。
中学時代はいじめられっ子、その後もずっと怠け者だった自分が、
なぜ強い野心を持つ人間になったのか。


“高望み”で人生は変わる。
野心家・林真理子の人生論。
至極正論ごもっとも。それでいて、ちょっと口に出しにくい。
そんなことがずばっと書かれているのがこのエッセイです。

林さんの哲学というエッセンスも加わって、スパイシーながら読み応えのある一冊でした。
野心を持つこと、は夢を見ること似ている気がします。
それでいて両者には絶対的な違いがあって、それが行動力や努力ではないでしょうか。夢を見るだけなら、必要なのは妄想力だけ。
謙虚さのない野心は下品。
努力の伴わない野心は惨め。
ああそのとおりだなあと思いました。

野心のある人はギラギラしていて、ちょっと自意識高いんじゃないの?自己顕示欲ありすぎじゃない?と叩かれたりする。
それでいて、一流の人は大抵野心がある。
叩かれる人とそうでない人の違いは・・・
本書に書かれているように、努力と謙虚さなのかもしれませんね。

よくばりな人は大変かもしれない。
あれもこれもと尽きることない欲求が体を満たして。
それでも、よくばりながら努力をすることでたくさんのものを手にできる。
自分を信じて自分を誇れる、という最高のご褒美が待っている。
そんな生き方が素敵だと思います。

人生のリセットは何度でもできるんです。でも、自分でないとできない。  (P84)

背伸びしないと成長できないときもあると思うんです。無理だと思ってもやる。「自分の実力だとこれくらいの仕事量で、これくらいのスケジュールだ」と枠を決めてやると、絶対に、いまの自分以上には成長できない。  (p115)

★★★★☆

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「ロビンソン病」 狗飼 恭子

好きな人の前で化粧を手抜きをする女友達。
日本女性の気を惹くためにヒビ割れた眼鏡をかける外国人。
結婚したいと思わせるほど絶妙な温度でお風呂を入れるバンドマン。
切実に恋を生きる人々の可愛くもおかしなドラマ。恋さえあれば生きていけるなんて幻想は、とっくに失くしたけれど、やっぱり恋に翻弄されたい30代独身恋愛小説家のエッセイ集。


狗飼さんの日常が溢れだして言葉になった、エッセイです。
物書きの人は、みんなそうなの??と思うくらい、常にいろんなことを考えている狗飼さん。
彼女の頭の中を垣間見れて、ファンとしては嬉しい限り。

一方で、そんなにプライベートを公開しても大丈夫?なんてハラハラしたり。匿名性はもちろん守られているのだけど、読む人が読んだら「これ、自分のことだ!」と思うだろうに。
彼女に限らず他の作家のエッセイを読んでも、歌手自作の歌詞を見てもそう思う私は、きっと他人の目を気にしすぎなんでしょうね。
それはさておき、狗飼さんは清々しいほどに恋愛体質だなあ、と今回も思ったのでした。

恋愛体質の人が持つアンバランスさというのが愛おしくて素敵だなと、心から思います。
狗飼さんにはずっと、恋愛をしていてほしい。非日常を保ち続けてほしい。
恋愛をするために欠かせないのが、人との出会いなんだろうな、なんて当たり前のことを思いました。

それくらい、狗飼さんはこのエッセイでたくさんの人と会って、飲んで、話をしてます。
読み終えて、私も前を向いて歩けそうな気持ちになりました。
だいすき。

外に出ると、まだまだ知らないことがたあるんだって知ることができる。
辛いことのほうが多いけど、でも、それでも、知らないよりは知れたほうが良いって思えるうちはまだ大丈夫なんだと思う。  (p95)

★★★

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「京大芸人」 菅 広文

ロザンとして活躍中の、管ちゃんが書いたエッセイ。
宇治原さんとの出会いからデビューまでを綴っています。


管ちゃんって、愛くるしいですよね。
読んでいてしょうもないな、と思うけれど憎めない。

宇治原さんの効率いい勉強術についても書かれていて、これから受験なんて方には参考になるんじゃないでしょうか。
頭のいい人というのは、計画を立てて道筋をしっかりと見据えることができる人なんだなというのがわかります。

ところどころ出てくる家族もまた良くて、宇治原ママとか、管ちゃんパパとか、とても素敵。
家族への愛情って、きちんと伝わるものですね。
昔から淡々としている正論派でええかっこしいの宇治原さんと、頑張るところをちょっと間違えている天然派で愛されキャラの管ちゃんの物語は、思いの他くすっと笑えるところも多くて楽しめました。

★★★☆

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