「見えない糸―物乞いの少年とキャリアウーマンの小さな奇跡の物語」 ローラ・シュロフ

服役中の黒人の若者の数が、黒人大学生の数を越えていた1980年代。
一人の物乞いの黒人少年と、独身30代のキャリアウーマンの交わりを描いたノンフィクションです。


中国のことわざで、「出会う運命にある二人を結びつける見えない糸がある」というものがありますが、まるで違う世界に生きる二人の強い結びつきは、まさにそういったものを感じさせずにはいられません。
むしろ、いま私たちが出逢っているすべての人は、出逢うべくして出逢ったに違いない。
それがどれほど尊いことか、改めて感じ入る思いです。

エピローグは思わず泣いてしまいそうになりました。
謝辞の冒頭の言葉も胸に刺さります。
最後には実際の写真が掲載されていますが、これが実話だということに、胸が震えます。
誰かの人生にこんなにも深く関わり、その人の人生を大きく変え、救うことがある。それも、一方的にではなく、双方的に。

世界は広いですね。この本が世に出てよかったです。

私たちはみんな健全で悩みのない関係を求めるけれど、そんなものは存在しない。それでも人生が美しいのは、失望の中に奇跡のような恵みが隠れているからだ。 (p251)

★★★★

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