「カフーを待ちわびて」 原田マハ

「嫁に来ないか。幸せにします」
「絵馬の言葉が本当なら、私をお嫁さんにしてください」
から始まるスピリチュアルなほどピュアなラブストーリー。
ゆるやかな時間が流れる、沖縄の小さな島。
一枚の絵馬と一通の手紙から始まる、明青(あきお)と幸(さち)の出会い。偶然に見えた二人の出会いは、思いも寄らない運命的な愛の結末へ。

第1回「日本ラブストーリー大賞」大賞受賞作品。

これは、映画も見てみたい。

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「ランウェイ・ビート」 原田 マハ

ある日現われたおしゃれな転校生ビートは、イジメられっ子犬田のファッションを大改造して一躍クラスの人気者に。

「誰にでもポテンシャルはある!」
ビートの魔法の言葉に勇気づけられ、ファッションに興味のなかった仲間たちが前代未聞の現役高校生ファッションブランドを立ち上げる。
彼らはファッション業界に革命を巻き起こせるのか?

日本ラブストーリー大賞作家が贈る感動の青春小説。

「一緒に世界を変えてみる?」

抜群に軽いノリの青春小説でした。 続きを読む

「あなたは、誰かの大切な人」 原田 マハ

家族と、恋人と、そして友だちと、きっと、つながっている。
大好きな人と、食卓で向かい合って、おいしい食事をともにする。

単純で、かけがえのない、ささやかなこと。それこそが本当の幸福。
何かを失くしたとき、旅とアート、その先で見つけた小さな幸せ。

タイトルに、一目惚れしました。

タイトルに惹かれてずっと読んでみたかった1冊です。

「最後の伝言」
「月夜のアボカド」
「無用の人」
「緑陰のマナ」
「波打ち際のふたり」
「皿の上の孤独」
からなる、6編の短編集です。 続きを読む

「本日は、お日柄もよく」 原田 マハ

OL二ノ宮こと葉は、想いをよせていた幼なじみ厚志の結婚式に最悪の気分で出席していた。
ところがその結婚式で涙が溢れるほど感動する衝撃的なスピーチに出会う。それは伝説のスピーチライター久遠久美の祝辞だった。
空気を一変させる言葉に魅せられてしまったこと葉はすぐに弟子入り。
久美の教えを受け、「政権交代」を叫ぶ野党のスピーチライターに抜擢された!目頭が熱くなるお仕事小説。

タイトルから、表紙から、ちらっと覗いた最初のページから、結婚式が舞台の物語かと思っていたら、意外や意外、スピーチライターという日本には馴染みのない職を軸に、政治にまで話が及んでびっくりでした。

5年以上昔の本だけあって、時事ネタはやっぱり古く感じてしまうものの、郵政民営化やタレント的に人気な首相のことなど十分記憶に残っています。
知ってる事柄だけに身近に感じる一方で、政治や宗教は一般的にタブー視されやすい話題なのに、ここまで踏み込むか、と少したじたじ。
完全フィクションならまだしも、ところどころリアルなものを織り交ぜているので、いろいろと当時のことを頭に浮かべて読み進めるようでした。

とはいえ、スピーチライターにまつわる話しはとても感動的で、言葉が人に与える影響、パワーの大きさを感じずにはいられません。
本当に、言葉で世界は動く気がします。
政治については、私も世の中の若者と同じように自分には関係ないもの、どうせ何も変わらない、という気持ちでいましたが、最近ようやく少しずつ興味が持てるようになってきました。
それもこれも、積極的に発信していこうという若手政治家たちの存在が大きい気がします。相手に届けようと工夫をした情熱のある言葉たちは、いつか必ず伝えたい人に届くような気がしています。

心に響くスピーチに胸を打たれることがありますが、そんな大物たちの陰にスピーチライターという縁の下の力持ち的なスターがいたことを初めて知れてたのもよかったです。
作中のスピーチはどれも素敵で、まだ日本ではあまり馴染みのない職のようですが、これから活躍する人が増えていけばいいなと思います。

君のお父さんとお母さんが君に与えてくれた体を、大切に使いなさい。そして心は、君自身が育てていくんだ。大らかに、あたたかく、正義感に満ちた心に育ててやりなさい。 (p282)

「初めて挑戦するからには不安なことも多いだろう。けれど、初めてだからこそ、真摯に向かい合えることもある。初心忘るべからず、とはそういうことなんだ」 (p170)

★★★★

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「楽園のカンヴァス」 原田 マハ

ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。
持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。
リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに籠めた想いとは――。
山本周五郎賞受賞作。

ずっと読みたいと思っていたこの小説。
やっと読めたのですが、まさかこんなにも面白いとは・・・。
興奮がなかなか冷めやらない感じです。
稀代の画家アンリ・ルソーを巡る謎に包まれた物語で、好奇心を刺激されて続きが気になり、珍しく職場で昼休みにも本に手が伸びてしまったくらい。

今回初読みの作家である原田マハさんは、自身もキュレーターとして活躍されていた方とのことで、美術界について造詣が深く、それでいて専門的なこともわかりやすく書かれていたため絵画に疎い私でもすんなり読み進めることができました。
表紙にルソーの「夢」を載せてくれていたのも助かりました。ほかの絵画についても頭でどんな絵かぱっと浮かんだらもっと楽しめただろうけど、「夢」さえわかれば読み進めるのに支障はないです。
読んでる最中カバーを眺めては、これが「夢」か・・・と何度確かめたことか。

絵画については詳しくないものの、鑑賞するのは好きです。
自分の好きな絵を手元に置いて眺めていたい、というコレクターの気持ちもわからないではないです。
でも、画家に、作品に、どこまでも想いを馳せる登場人物たちのあつい情熱に触れて、これほどまでにか、と身震いしました。
そんな視点で絵画を眺めたことはなかったけれど、きっと読書についても同じことなんですよね。
本当に好きだと作家自身にまで興味が沸くし、たとえ世間に評価されていなくても大好きなものは大好きだし、絶対にいいものだと確信してる。

そう考えると、絵画についても同じように楽しめたら、随分と感性を豊かに自分の引き出しを増やせそう。
いつか、家に絵画を飾れるような人、それを楽しめる人になりたいです。

それはさておき、物語としてもものすごく楽しめる小説で、読み終わった後に甘く余韻が残ります。
図書館で借りて読んだのですが、これはもう一度読みたくなったら今度は買うこと間違いなしです。すごくお勧め。

それから作中で登場した絵画について、頭に浮かばないものも多くて調べようとしたら、一覧にまとめてあるものを発見。
すばらしい。読み終わってから登場した絵画を見るとまた感慨深いものがありました。

★★★★★

アートを理解する、ということは、この世界を理解する、ということ。
アートを愛する、ということは、この世界を愛する、ということ。
いくらアートが好きだからって、美術館や画集で作品だけを見ていればいいというもんじゃないだろう?
ほんとうにアートが好きならば、君が生きているこの世界をみつめ、感じて、愛することが大切なんだよ。
 (p158)

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