「神様のカルテ2」 夏川 草介

栗原一止は、夏目漱石を敬愛する信州の内科医だ。
「二十四時間、三百六十五日対応」を掲げる本庄病院で連日連夜不眠不休の診療を続けている。

四月、東京の大病院から新任の医師・進藤辰也がやってくる。
一止と信濃大学の同級生だった進藤は、かつて“医学部の良心”と呼ばれたほどの男である。
だが着任後の進藤に、病棟内で信じがたい悪評が立つ。失意する一止をさらなる試練が襲う。
副部長先生の突然の発病―この病院で、再び奇蹟は起きるのか。

「良心に恥じぬということだけが、我々の確かな報酬だ。」

きっと泣くと思ってましたが、やっぱり泣きました。
私、夏川さんの本すごく好きです。 続きを読む

「神様のカルテ」 夏川 草介

栗原一止は信州にある「二四時間、三六五日対応」の病院で働く、悲しむことが苦手な二十九歳の内科医である。
職場は常に医師不足、四十時間連続勤務だって珍しくない。ぐるぐるぐるぐる回る毎日に、母校の信濃大学医局から誘いの声がかかる。
大学に戻れば最先端の医療を学ぶことができる。だが大学病院では診てもらえない、死を前にした患者のために働く医者でありたい…。

悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。
二〇一〇年本屋大賞第二位、日本中を温かい涙に包み込んだベストセラー、待望の文庫化。

お盆の帰省電車の中で、ぽろぽろ泣きながら読みました。
生き死にや人の想いにまつわる話は、どうしてこうも人の胸を打つのでしょうね。

古風な話口調でちょっぴり変わった医師の、真摯に患者と向き合う姿が、とてもとても胸に染み入ります。
正直、病院はいわゆるブラック企業と言ってもいい程。
いい状態か、悪い状態かでいえば、よくない。
その中で、できる精一杯をひたむきに追求する一止は、全国の医師の姿を投影しています。

仕事で医師の先生に関わるようになって思うのは、本当に激務だということ。
単に病気を治すのではなく、人の人生に寄り添うということは、いわゆる絶対的な正しい答えがないもので、なんて難しく、そして尊いものなんでしょうか。

本当に、どの話も胸に響いて、余韻がなかなか消えないくらい。
医療の現場にはきっと毎日のように様々なドラマが繰り広げられているんでしょうが、その根底にこんな風な温かなものが流れているといいですね。
私も、安曇さんのようなおばあちゃんになりたい。
そして、ハルちゃんみたいな妻がほしい。
登場人物誰もが素敵で、長野の澄んだ空気も綺麗で、ほっこり胸が温まる1冊でした。


「学問を行うのに必要なものは、気概であって学歴ではない。熱意であって体裁ではない。(略)
あなたの部屋には思索と英知が溢れ、ひらめきと発見があった。こんなことは今更言葉にするまでもないことだ」
 (p151)

★★★★☆

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