「コイノカオリ」 角田光代 他

最近、恋のしかた、忘れてませんか?
ひとは、一生のうち何度恋におちるのだろう。
ゆるくつけた香水、彼のタバコや汗の匂い、好きな人に作った特別な料理——。
柔らかい恋の匂いをモチーフに繊細に、あるいは大胆に綴る、6つのラブスト−リー。

アンソロジーも、いいかもしれない。

いつまでも記憶に残る、恋にまつわる香りの話。
6人の著者によるアンソロジー。 続きを読む

「誰かが足りない」 宮下 奈都

予約を取ることも難しい、評判のレストラン『ハライ』。
10月31日午後6時に、たまたま店にいた客たちの、それぞれの物語。

認知症の症状が出始めた老婦人、
ビデオを撮っていないと部屋の外に出られない青年、
人の失敗の匂いを感じてしまう女性など、6人の人生と後悔や現状の悩みを描く。
「ハライに行って、美味しいものを食べる」ことをひとつのきっかけにして、
前に進もうとする気持ちを、それぞれ丹念にすくいとっていく。

とっておきの日に、私も『ハライ』に行きたい。

読み終えた今、日曜の夜ながら心がぽかぽか温かくなりました。 続きを読む

「スコーレNo.4」 宮下 奈都

自由奔放な妹・七葉に比べて自分は平凡だと思っている女の子・津川麻子。
そんな彼女も、中学、高校、大学、就職を通して4つのスコーレ(学校)と出会い、少女から女性へと変わっていく。
そして、彼女が遅まきながらやっと気づいた自分のいちばん大切なものとは…。
ひとりの女性が悩み苦しみながらも成長する姿を淡く切なく美しく描きあげた傑作。

おすすめです!

これは、ものすごく、よかった。
ずっと家に積んでいた本の1冊ですが、まさかこんな掘り出し物が眠っていたなんて。いまだ余韻が残ってます。 続きを読む

「メロディ・フェア」 宮下 奈都

私はこの世界の小さいところから歩いていくよ。

大学を卒業した私は、田舎に戻り「ひとをきれいにする仕事」を選んだ。
けれども、お客は思うように来ず、家では化粧嫌いの妹との溝がなかなか埋まらない。
そんなある日、いつもは世間話しかしない女性が真剣な顔で化粧品カウンターを訪れて――
瑞々しさと温かさを兼ね備えた文体で、まっすぐに生きる女の子を描く、ささやかだけど確かな“しあわせ”の物語。 続きを読む

「太陽のパスタ、豆のスープ」 宮下 奈都

2年間付き合った彼と、結婚式を前に突然迎えた破局。
傷ついたあすわが出会ったのは、叔母ロッカが提案する「ドリフターズ・リスト(漂流者のリスト)」
それは、やりたいことを書き上げていくリストだった。
絶望の波に溺れそうになるあすかの、再起の物語。


◆ 

タイトルも著者も名前はよく見かけるけれど、初読みでした。
冒頭から衝撃的な出来事があるけれど、読み進める中でにこにこにこにこ。みたいな、著者独特の表現がかわいらしくて楽しい気持ちになりつつ、日常が優しく描かれており癒されました。
失恋後の心境は大変共感するところで、浮きつ沈みつ回復していく様が愛おしくなりますね。

全体的にふわふわしていて優しいのだけれど、その中に「希望」とか「やりたいこと」といったキラキラしたものが混ざっていて、それが気持ちをまっすぐにさせました。
案外、人を殺すのは絶望で、生かすのは希望なのかもしれませんね。

そして、私もやっぱり食べものの力と、家族や友人の支えは本当に大きいなあと改めて思います。
豆はそれ程好きではないけど、今後もし青空マーケットで見かけたら買いたくなってしまいそう。

★★★☆

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