「砂子のなかより青き草」 宮木 あや子

寂しい。寂しい。寂しい。でも強くなりたい。
清少納言が枕草子に綴った嘘と真実とは?
R‐18文学賞デビューの実力派による平安時代小説の大本命。


年を重ねてから士官をした清少納言。
敬愛する中宮定子様を守るため、ただ強く、強くあろうとする清少納言の姿が少し痛ましくもありました。

先日ちょうど史跡巡りなるものをして、平安の頃の建築物のオブジェなどを見たこともあり、ありありとこの時代に想いを馳せられました。

枕草子といえば、男性に媚びず、定子を心から慕い、時に拗ねたりもする清少納言の人柄が見え隠れするものでしたが、この作品に描かれている清少納言もそんな様子。私が思い描いていたよりも、アクティブで不器用な一面もあったけれど。

それにしてもなんて縛りが多い時代なんだ、と思わずにいられないくらい、政治的にも社会的にも制限の多い時代だったのでしょうね。
清少納言や紫式部もよいけれど、一条天皇と定子のロマンスも読んでみたい。

宮木さんの作品は2つめですが、こういった時代ものも書かれるんですね。枕草子が書かれた背景について知れてよかった。原文で枕草子が読めたらもっと素敵だろうなと改めて感じた次第です。

「良いことが何もないのならば、良いことがあるようにすればよろしいのではと、わたくしは思います」 (p18)

★★★☆

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「校閲ガール」 宮木 あや子

大好きなファッション誌の編集者になる!
と夢見て受けた出版社、無事に内定をもらったものの、配属された先は校閲部。
全く希望と違う部署に配属されながらも、日々仕事に向き合いながら、事件に巻き込まれながら、仕事におもしろさを見出していく。


心のビタミン剤的に、読むとすっきりスカッとするワーキングエンタメです。
こんな風に言いたいことをずばっと言えたらどんなにいいか!と思う程、主人公はずけずけとモノを言う。
そんな、ちょっと常識的な社会人とはズレているように見える主人公ながら憎めない、どころかカッコイイ、好きだと思ってしまうのはきっと好きなものへのひたむきな愛情とか、筋を通す芯があるところとか、案外やさしいところがあるからかもしれない。

登場人物もこれまた魅力的で、ぜひとも続編を読んでみたい。
彼らの恋の行方も気になる!
宮木さんの本は初読みでしたが、読んでいてすごく楽しかったです。
こんな風なワーキングエンタメ、いいですね。仕事への活力になります。

★★★★

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