「モノレールねこ」 加納 朋子

ほんと、期待を裏切らない。
読んでいて、そんなことを思いました。
これは加納さんの描く「日常の中の喪失と再生」の物語。

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表紙の温かい絵同様、読んでいて心がぽかぽかします。
どれが好きかと言われると選ぶのが難しいくらい素敵な8つの短編集です。読み終わった後は、表紙を見ながら余韻に浸れます。
ザリガニの話では、思わずほろり。

加納さんの本は、毎日を丁寧に生きているのが伝わってくるから、読んでいると日常が愛おしくなる。登場人物を通して、弱さと同時に強さを持つ「人間」が大切に思える。
とても幸せな気持ちで読めた1冊でした。

★★★★

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「きいろいゾウ」 西 加奈子

夫の名は武辜歩、妻の名は妻利愛子。お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う都会の若夫婦が、田舎にやってきたところから物語は始まる。
背中に大きな鳥のタトゥーがある売れない小説家のムコは、周囲の生き物(犬、蜘蛛、鳥、花、木など)の声が聞こえてしまう過剰なエネルギーに溢れた明るいツマをやさしく見守っていた。夏から始まった二人の話は、ゆっくりと進んでいくが、ある冬の日、ムコはツマを残して東京へと向かう。それは、背中の大きな鳥に纏わるある出来事に導かれてのものだった―。

とても言葉がきれいな本です。
穏やかな日常と、忍び寄る試練、大切なものへの愛情が詰まってます。 続きを読む