「ワンダフル・ワールド」 村山由佳

世界はこんなにも美しく、かぐわしい――運命の出会いを彩る香りの物語。
かつての恋人との再会で芽生えた新たな感情、「愛人」という言葉では割り切れない関係、久しぶりの恋を捨てても守りたいもの

――普通の恋愛とは呼べない。でも混じり気ない愛情と絶対的な安心感を与えてくれる存在を、特別な香りとともに描く全五篇。
もうときめきだけでは満たされない大人に贈る、究極の恋愛小説。

白でも、黒でもないものは、ある。

楽しみにしていた村山さんの新刊です。
早速発売日に買いました。
すべての章に香りが漂う、喪失と大人の恋が入り混じった5つの短編集でした。 続きを読む

「遥かなる水の音」 村山 由佳

パリで、ひとりの青年が死んだ。
最期をともに過ごした同居人は、ゲイの中年フランス人だった。
青年の遺言は、「遺灰をサハラにまく」こと。
フランス、スペイン、モロッコ―。青年の姉、友人のカップル、同居人のグループは、様々な思いを抱えたまま、遺言を叶える旅に出るが――。


<お願いがあるんだ。僕が死んだら、その灰をサハラにまいてくれないかな> 続きを読む

「ありふれた愛じゃない」 村山 由佳

いったいどうすれば、あの男にこれ以上惹かれずにいられるのだろう。
未熟だがまっすぐな年下彼氏との婚約に満足していたはずの真奈が偶然再会したのは、社会不適合だが危険なほど官能的な元カレだった。
揺れる心と躯。楽園の島タヒチで真奈が選んだ愛とは?


真奈は、銀座の老舗真珠店でチーフマネージャとして働く32歳。6歳年下の彼とは結婚も間近だ。
それなのに。 続きを読む

「花酔ひ」 村山 由佳

人は、出会うべく人にしか出会わない。
だけど、神様は時に間違えてしまう。
何を――?
順番をだよ。
偶然か、運命か、時を間違えて出会ってしまった二人の物語。

もうタイトルからして惹きつける「花酔ひ」
ページを開くと、目次には、「遊ぶ鬼」「肩越しの闇」「甘い水」…と続き、
本当に村山さんの言葉選びが好きだなあと心をくすぐられました。
楽しんでゆっくり読むつもりだったのに、思わず一気読み。 続きを読む

「ダンス・ウィズ・ドラゴン」 村山 由佳

井の頭公園の奥深くにある、夜にしか開かない図書館。
<龍>を祀る旧家に育った血のつながらない兄妹が、吹き抜けの読書室で時を経て再会した。
互いの親に連れられ、初めて目と目が合ったとき、幼い妹はほろほろと泣いた。
記憶と今を結ぶため、ふたりは哀しい秘密をのこした故郷を訪れる。


「ダブル・ファンタジー」以来久々に読む村山さん。
真っ青な装丁がすごく綺麗。
どこか幻想的でいて官能的。
あまりハード本は買わないのだけど、わくわくしながら購入。 続きを読む

「W/F ダブル・ファンタジー」 村山 由佳

35歳の奈津は売れっ子脚本家。仕事は順調だが、マネージャーである夫の支配的な態度に萎縮し、精神的にはギリギリの日々。
そのうえ奈津は人一倍性欲が強く、躯の奥から溢れる焦りと衝動になんとか堪えていた矢先、敬愛する56歳の演出家・志澤とメール交換を始めたのを機に、女としての人生に目覚めていく。
志澤の、粗野な言葉遣いでの“調教”にのめり込む奈津。
そして生と性の遍歴が始まった…。柴田錬三郎賞ほか文学賞三冠受賞。文壇に衝撃を与えた迫力の官能長篇! 続きを読む

「おいしいコーヒーのいれ方 (6) 遠い背中」 村山 由佳

騒がしいながらも楽しい花村家での3人の生活は、おじさんとおばさんの帰国により終りを告げる。そこで、一人暮らしを考える勝利は親父の説得を試みるのだった。
成功すれば、二人だけの「場所」ができる。

無事に引越し完了。
勝利が少し焦り過ぎてる気はするけど、気持ちはわかるから、なんとも言えない。
やっぱり二人でいれる場所ってすごく大切だと思う。
焦りがこのままいきすぎて、勝利がかれんを傷つけることがなければいいけど。
既にその傾向が見えてるような気がするから、心配。
勝利は勝利なりに誠意を持って行動しているのだけど、どうもそれが空回りしているような気がしてならない。

自分のことならまだしも、かれんのことを、それも本人が秘密にしているような大事なことを本人の断りなく勝手に他の人に話してしまうのはルール違反のように思う。
もちろん、そこに悪意なんてものは存在しないけれど、それでもダメなものはダメだと思う。
丈はやっぱりいい奴だなぁとつくづく思いました。
ほんとにいい奴。
本当にゆっくりな二人だけど、これからも勝利とかれんが幸せであってほしいと、この本を読むたびに思うのでした。親父さんの男気にも、マスターの過去にも触れれてちょっぴり満足。

★★★

「おいしいコーヒーのいれ方 (4) 雪の降る音」 村山 由佳

いつもだったらドキドキしながらもすいすい読み進められるのに、今回はかれんの一言が胸にずしんと重くのしかかりました。
それを言ったかれんの気持ちも、聞いた勝利の気持ちも私には痛いほどにわかるものでした。
成長なしの恋愛は本当にありえない。努力なしに同じ温度を保つことなんてできないのだと知ったのは、実際に好きな人と付き合い始めてからでした。
このシリーズの題名はどれも好きだけど、中でも好きなのがこの本の題名です。
読み終わってから改めて題名を見ると切ないような温かいような気持ちになれます。

相手の喜んだ顔を思い浮かべながらのプレゼント選びは最高に幸せですよね。

「(中略)二人のうちどちらか片方でも、自分一人で立ってられないような人間だったら、そんなの、恋愛じゃないでしょ?弱い人が、気持ちいいからって麻薬に頼るのとおんなじで、ただの甘えになっちゃうでしょ?成長するどころか、どんどんダメになっていっちゃうでしょ?」

★★★★

「おいしいコーヒーのいれ方 (3) 彼女の朝」 村山 由佳

読んでいてなんでこんなにもドキドキするんだろう。
考えてみれば、それはきっとかれんも勝利も等身大で描かれているからだと思うんです。
全てが上手くいくわけじゃない、時には嫉妬もするし、不安になることだってある。
そんな二人の気持ちは私にも経験があることでした。
はじめての時のあのドキドキ感をまた思い出すことができるなんて。
これから先も波乱万丈な予感だけど、それもまた楽しそう。

かれんも勝利も少しずつ、ほんとに少しずつだけどちゃんと前に進んでるんだなって思えて嬉しくなりました。

「私も、すごーく嬉しかったの」

どうやったら、こんなに幸せそうな笑い方ができるんだろう。おまけに、かれんの幸せな顔には、見る者まで幸せな気分にさせてしまう不思議な力があるのだ。

★★★☆

「おいしいコーヒーのいれ方 (2) 僕らの夏」 村山 由佳

なんと、1巻の発行から約2年ぶりの発行だそうです。
やっぱり時間がかからなく簡単に読み終えちゃえます。
すぐに読み終えちゃう分、あとに残るものがすこし少ないような感じはしますがそれでも全然楽しめます。見所は勝利の惚れ具合でしょうか。
見てて恥ずかしくなるくらいに、かれんにべた惚れです。

勝利がしょっちゅう動転したりしているから、読んでるこっちまで恥ずかしくなってしまう、なんてことが多々ありました。
二人は未だにキスより先に進んでいないのにね。それでいいような、よくないような。
丈じゃないけど、勝利に一言言いたくもなるものです。

他には会話のキャッチボールも読んでて楽しいです。
このシリーズ、これからも二人と彼らを取り巻く周りの人を見守ってくのが楽しみです。

★★★☆

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