「永遠。」 村山 由佳

私はまだ見ていないのですが、この『永遠。』は内山理名さんと堤真一さん主演の映画『卒業』のサイドストーリーなんだそうです。
登場人物・舞台の重なりはあるものの基本的に独立したもの同士なのでどちらから手にとってみてもいいし、また二つを知ることで物語を違った角度から見ることができより一層楽しめるようになっているようです。
なんでも映画と小説のコラボレーションは日本では初の試みだとか。

この本の表装・デザインは私が今まで出会ったことのある本の中でも最大級に好きなものです。
上の画像ではよく見えないけれど、泡が立ち昇っているかのように見えるその表装は途切れ途切れではあるものの決して終わることのないタイトル通りの「永遠。」を感じさせてくれます。
白地に薄い水色というのも洗練されていてお気に入りです。
(今映ってる画像じゃないです。変わったのかなあ・・・今のも綺麗ですが)

真山さんの人柄の良さというか、不器用な一途さがすごく愛しく感じます。
葉月さんの言うように口にだすとこぼれてしまうものって本当にたくさんあると思うんです。

だからこそ大切な想いは胸の中にしまっておきたいのだけどそれでは相手になかなか伝わらない。
それでも口にしなくても伝わるもの、感じるられるものは確かにあるのだとそんなことを思いました。


「―誰かに何か、大事なことを伝えるときはね。心の底からよーく考えてからにしなさい。それは、私があのひとから教わったこと。言葉にしたとたんに終わっちゃうことって世の中にいっぱいあるから」

★★★★☆

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「翼」 村山 由佳

「お前が幸せになんかなれるわけがない」「お前に近づく者はみんな不幸になる」
そう言われ続けて育った真冬は母の元を離れて6年になる今もその言葉の呪縛から逃れられない。
ラリーという大切な人ができてもなお相手を完全に信じきれず、どうしても”愛してる”という言葉が口から出ない。


凄く素敵な奥行きのある作品でした。
以前村山さんが口にした「小説の持つ独自の力」というのを感じさせ、見せ付けてくれたように思います。
正直、村山さんに惚れ直しました。 続きを読む

「きみのためにできること」 村山 由佳

最初のメールのやり取りが微笑ましくて照れくさくて、つい顔がほころんでいました。
5年経ってもなおあんな風な関係でいられるっていいな、と素直に思いました。
私が遠距離恋愛をしたことがあるからか、どうしても気持ちがピノコに偏ってしまっていた気がします。
だから、展開が読めてたとはいえ悲しくなったり。

最後、俊太郎が「どんなに思いのたけをつづった手紙でも、相手が30秒抱きしめてくれる温かさにはかなわない」と気づきピノコの元へとバイクを走らせる場面が好き。
ここでやっと止まってたピノコと俊太郎の時間が再びゆっくりと流れ出すのを感じました。

どれだけ大事に積み上げてきたつもりでも、なくなる時は一晩。なくなってしまえばおんなじよ。

実際、どんなことでもして奪い取るくらいに考えないと、欲しいものなんて何ひとつ手に入らないのよ。

お互いに好きになり、想いを深め、体を重ね合って・・・相手の何もかもを手に入れたつもりでいても、それはたぶん錯覚なのだ。人の心なんて不確かなものだ。今は好きだと言っていても、愛していると言っていても先のことまではわからない。相手を信じるしかないとおもっても、信じている自分の心の方が変わらないという保証はどこにもないのだ。

★★★☆

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「野生の風」 村山 由佳

色に魅せられた染織家・多岐川飛鳥、野生動物のいのちを撮るカメラマン・藤代一馬。
ふたりが出会ったのは、ベルリンの壁崩壊の夜。運命的な恋の予感はそのまま、アフリカでの再会へと結びつく。
サバンナの大地で燃え上がる愛、官能の炎。しかし、思いがけない事実が発覚して―。運命の出会いから慟哭のラストまで胸を揺さぶる恋愛小説。

最後に自分が幸せだと思えたのは飛鳥と祥子、どちらだろう。
ふとそんなことを思いました。 続きを読む

「夜明けまで1マイル」 村山 由佳

これはフリンなんかじゃない、恋だ。
バンドとバイトに明け暮れる大学生の「僕」。美人でクールな講師のマリコ先生に恋したけれど、学生と教師、しかもマリコ先生には夫がいる。不器用でひたむきな青春の恋の行方。

一番頭に残っているのが、うさぎが出会いについて話しているところ。
突如1つ1つの出会いが凄く大切なものに思えました。 続きを読む

「BAD KIDS」 村山 由佳

高校写真部の部長の都は、20歳もの年上のカメラマンとの関係に苦悩している。彼女が被写体に選んだのはラグビー部の隆之だった。
しかし彼が気持ちを動かされているのは、同性のチームメイトだった。
傷つき、愛に悩み、性に戸惑いながらもひたむきに生きる18歳の、等身大の青春像を描く。みずみずしいタッチの長編恋愛小説。

都の気持ちがわかりすぎてほんとに泣きたくなりました。
部屋で一人で読んでたら絶対に泣いていた。 続きを読む

「天使の卵」 村山 由佳

凄く切ない話。何度も泣きそうになりながら読みました。
一見ただのありきたりな恋愛小説なんだけど、その一言でくくれない、それ以上の何かがありました。

心の弱い人、心に傷を負ってる人がたくさん出てきたせいか、私自身すごく無防備な気持ちになって読んでいました。
その為か最後のところの衝撃は大きかったです。読み終わった後はかなり凹めます。

★★★★

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