#泣ける本

大人になっても全力で泣けるって、すごいことだ。

読書の醍醐味は数多くあれど、心を大きく揺さぶられて、涙を流す程の本との出会う度に、本を読んでいてよかったと思わされます。
もともと涙もろい一面はあるかもしれないけど、たぶん私は本を読んでよく泣きます。
電車の中で読んでしまって、しまったと思ったことは数知れず。

でもぽろぽろ涙を流しながら読む本は私にとって、何よりのストレス解消法かもしれない。
なかなか、泣こうと思っても泣けないですしね。

ということで、第2弾は「泣ける本」
何かおすすめの泣ける本、あればぜひとも教えてください。 続きを読む

「神様のカルテ2」 夏川 草介

栗原一止は、夏目漱石を敬愛する信州の内科医だ。
「二十四時間、三百六十五日対応」を掲げる本庄病院で連日連夜不眠不休の診療を続けている。

四月、東京の大病院から新任の医師・進藤辰也がやってくる。
一止と信濃大学の同級生だった進藤は、かつて“医学部の良心”と呼ばれたほどの男である。
だが着任後の進藤に、病棟内で信じがたい悪評が立つ。失意する一止をさらなる試練が襲う。
副部長先生の突然の発病―この病院で、再び奇蹟は起きるのか。

「良心に恥じぬということだけが、我々の確かな報酬だ。」

きっと泣くと思ってましたが、やっぱり泣きました。
私、夏川さんの本すごく好きです。 続きを読む

「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」 辻村 深月

事件を起こすなら、私のほうだと思ってた。

母を殺してしまった娘と、母との確執を抱える娘。どんな母娘にも起こりうる悲劇。

地元を飛び出した娘と、残った娘。
幼馴染みの二人の人生はもう交わることなどないと思っていた。
あの事件が起こるまでは。チエミが母親を殺し、失踪してから半年。
みずほの脳裏に浮かんだのはチエミと交わした幼い約束。

彼女が逃げ続ける理由が明らかになるとき、全ての娘は救われる。

本当は、目を背けたくなりました。

心が随分えぐられました。 続きを読む

「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」  七月 隆文

京都の美大に通うぼくが一目惚れした女の子。
高嶺の花に見えた彼女に意を決して声をかけ、交際にこぎつけた。
気配り上手でさびしがりやな彼女には、ぼくが想像もできなかった大きな秘密が隠されていて──。

「あなたの未来がわかるって言ったら、どうする?」

奇跡の運命で結ばれた二人を描く、甘くせつない恋愛小説。

ある程度、予想はできたと思っていた。
帯には「泣ける」という文字が躍るけれど、タイトルを見てもわかるとおり、それなりの心構えができていた。
だから、泣かないと思っていた。それなのに、結果的に大泣きした。
(この先、ネタバレが入ります) 続きを読む

「神様のカルテ」 夏川 草介

栗原一止は信州にある「二四時間、三六五日対応」の病院で働く、悲しむことが苦手な二十九歳の内科医である。
職場は常に医師不足、四十時間連続勤務だって珍しくない。ぐるぐるぐるぐる回る毎日に、母校の信濃大学医局から誘いの声がかかる。
大学に戻れば最先端の医療を学ぶことができる。だが大学病院では診てもらえない、死を前にした患者のために働く医者でありたい…。

悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。
二〇一〇年本屋大賞第二位、日本中を温かい涙に包み込んだベストセラー、待望の文庫化。

お盆の帰省電車の中で、ぽろぽろ泣きながら読みました。
生き死にや人の想いにまつわる話は、どうしてこうも人の胸を打つのでしょうね。

古風な話口調でちょっぴり変わった医師の、真摯に患者と向き合う姿が、とてもとても胸に染み入ります。
正直、病院はいわゆるブラック企業と言ってもいい程。
いい状態か、悪い状態かでいえば、よくない。
その中で、できる精一杯をひたむきに追求する一止は、全国の医師の姿を投影しています。

仕事で医師の先生に関わるようになって思うのは、本当に激務だということ。
単に病気を治すのではなく、人の人生に寄り添うということは、いわゆる絶対的な正しい答えがないもので、なんて難しく、そして尊いものなんでしょうか。

本当に、どの話も胸に響いて、余韻がなかなか消えないくらい。
医療の現場にはきっと毎日のように様々なドラマが繰り広げられているんでしょうが、その根底にこんな風な温かなものが流れているといいですね。
私も、安曇さんのようなおばあちゃんになりたい。
そして、ハルちゃんみたいな妻がほしい。
登場人物誰もが素敵で、長野の澄んだ空気も綺麗で、ほっこり胸が温まる1冊でした。


「学問を行うのに必要なものは、気概であって学歴ではない。熱意であって体裁ではない。(略)
あなたの部屋には思索と英知が溢れ、ひらめきと発見があった。こんなことは今更言葉にするまでもないことだ」
 (p151)

★★★★☆

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「アルジャーノンに花束を」  ダニエル・キイス

32歳になっても幼児の知能しかないパン屋の店員チャーリイ・ゴードン。
そんな彼に、夢のような話が舞いこんだ。大学の偉い先生が頭をよくしてくれるというのだ。
この申し出にとびついた彼は、白ネズミのアルジャーノンを競争相手に、連日検査を受けることに。
やがて手術により、チャーリイは天才に変貌したが・・・超知能を手に入れた青年の愛と憎しみ、喜びと孤独を通して人間の心の真実に迫る。

再読です。
基本的に本を読み返すことが少ないです。なので、読んだ本を手元に置くことがあまりない。
けど、何度でも読みたくなる本、何度読んでもいい本というのが一定数あって、これもその1冊です。 続きを読む

「空飛ぶ広報室」 有川 浩

不慮の事故でパイトット免許を剥奪された空井。
パイロットでなくなった彼が配属されたのは、防衛省航空自衛隊航空幕僚監部広報室。
待ち受けるのは、ミーハー室長の鷺坂をはじめ、尻を掻く紅一点のべらんめえ美人・柚木、鷺坂ファンクラブ2号の気儘なオレ様・片山など一癖も二癖もある先輩たちだった。
「あの日の松島」を書き下ろした待望のドラマティック長篇。


私的に泣きどころが多くて、わりとしょっぱなから泣きまくって、読み終わってみれば明け方で目が溶けそう。 続きを読む

「とんび」 重松 清

昭和37年の夏の日、瀬戸内海の小さな町の運送会社に勤める“ヤス”に息子アキラ誕生。
家族に恵まれ幸せの絶頂にいたが、それも長くは続かず……。
高度経済成長に活気づく時代と町を舞台に描く、父と子の感涙の物語。


不器用な親と子の物語。
さまざまな家族の形が登場する中で、家族とは何か語りかけてくれる一冊でした。
旅先に向かう電車の中で読んで涙をぽろぽろ流し、帰りの電車で読んで再び泣いて… これは、外で読んではいけない本でしたね。

泣ける本として名高いのは知っていたのですが、人前で泣くほどではないだろう、と思っていたら甘かった。
親が子を想う気持ちが熱くて、深くて。泣き所が多いです。
親と子って、考えてみればすごい繋がりだよなぁとしみじみ。

昭和が舞台だからか、どこか懐かしい、ノスタルジックな気持ちになりました。
いつか自分が親になった時にもまた読みたい。

大事に思うとる者同士が一緒におったら、それが家族なんじゃ、一緒におらんでも家族なんじゃ。
自分の命に替えても守っちゃる思うとる相手は、みんな、家族じゃ、それでよかろうが。 (P342)

★★★★★

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「一の糸」 有吉 佐和子

酒屋の箱入娘として育った茜は、17歳の頃、文楽の三味線弾きの弾く一の糸の響に心奪われた。

独身を通した茜は、偶然再会した男の球根を受け入れ、後添えとなるのだった。
大正から戦後にかけて、芸道一筋に生きる男と愛に生きる女を描く波乱万丈の一代記。


戦前から戦後にかけて、「文楽」という私の知らない世界で、芸に生きる人々の粋な様子と、愛に生きる茜のひたむきさに引き込まれました。
たくさん泣いたし、余韻がしばらく消えなそうです。

口下手で根っからの芸人で、なんて奴だと思うこともある徳兵衛だけど、理屈じゃなく茜が恋に落ちる瞬間、盲目にそれを追い掛ける過程を見ていると、何割増しにもいい男に思えてしまう。
実際、一芸に秀でている人、譲れないものがあって自身を磨き続ける人というのは格好いい。
それに、徳兵衛なりに茜に深い愛情があることが垣間見える場面では、きゅんとします。

登場人物は昔ながらの粋な人が多いですが、茜の母が中でも印象深いです。強く賢くたくましい女性。
一冊で人の一生が見える。時代の移り変わりを感じられる。
そんな一冊だからこそ、するりと時間が経過してしまう部分もあるけれど、行間には濃い時間が流れていて、その月日を思うと気が遠くなる程。

世間一般のルールとは違うかもしれないけれど、茜にも徳兵衛にも共通して自分のルールがあって、それを大事に守っているところが心に残っています。
世間に流されず自分ルールを守るためには、強くあらねばならないものですね。
文楽にも興味を持たせてくれる素敵な1冊でした。

★★★★☆

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「ツナグ」 辻村 深月

一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者(ツナグ)」
ツナグの仲介で再会した生者と死者は、一晩の再会で何を話し、どんな想いを伝えるのだろうか。


メジャーな作家さんながら、初めて読んだ辻村さんの作品です。
映画化もされている有名な作品「ツナグ」

装丁からきれいな物語かと思いきや、思いのほか毒や闇が混ざっています。感動を与えながらも心をえぐる1冊でした。
どうしても死者に会いたいと人が思う時、それは強い悔いや想いがある時でしょう。
恋しい気持ちから死者に会いたくなることはあっても、きっと私はツナグを探さない。
そしてそれは、幸せなことなんだと思います。

特に印象的だったのは、「親友の心得」と「待ち人の心得」。
待ち人の心得では大泣きをしました。救いがあるけど、切ない。
そして、親友の心得ではとてつもない後味の悪さを感じ、心がもやもや。辻村さんの見せ方が上手い。

死は美化されやすいし、ともすると単に美しい感動モノで終わってしまうところを、人間味溢れるスパイスで仕立てているのが魅力的でした。
時間を置いて、また辻村さんの作品は読んでみたいところです。

★★★★☆

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