「島はぼくらと」 辻村深月

島で暮らす同級生の4人。
島に高校がないため、4人はフェリーで本土に通う。
「幻の脚本」の謎、未婚の母の涙、Iターン青年の後悔、
島を背負う大人たちの覚悟、そして、自らの淡い恋心。
故郷を巣立つ前に知った大切なこと――すべてが詰まった傑作書き下ろし長編。

こんな景色が広がっているとは、思ってもみなかった。

美しいなあ。。。と何度も思いながら読みました。
舞台は、瀬戸内海に浮かぶ冴島。 続きを読む

「ハケンアニメ」 辻村深月

伝説の天才アニメ監督王子千晴が、9年ぶりに挑む『運命戦線リデルライト』。
プロデューサー有科香屋子が渾身の願いを込めて口説いた作品だ。
同じクールには、期待の新人監督・斎藤瞳と人気プロデューサー行城理が組む『サウンドバック 奏の石』もオンエアされる。
ネットで話題のアニメーター、舞台探訪で観光の活性化を期待する公務員…。

誰かの熱意が、各人の思惑が、次から次へと謎を呼び、新たな事件を起こす!

これがお勧めでなく、何がオススメか。

まだ、じーんと余韻が残っていて、目頭が熱いです。
文句なしの最高傑作。読めて幸せでした。 続きを読む

「ふちなしのかがみ」 辻村深月

この学校の花子さんは、音楽室から飛び降り自殺した少女の霊です。
花子さんは階段に棲んでいて、一生懸命掃除すれば会うことができます。
でも、彼女がくれる食べ物や飲み物を口にしてはいけません。嘘をついてもいけません。さもないと―。

――子どもの頃、誰もが覗き込んだ異界への扉を、青春ミステリの旗手が鮮やかに描きだす!

流行りましたね、学校の怪談。

この学校の花子さんは、階段にいる。
この世とあの世、こちらの世界とあちらの世界、2つの世界の間には通常交わることのない壁がしっかりあるものですが、ふいにその境界がおぼろげになる。
これは、そんなゆらゆらと危うい境界をミステリ要素を交えながら描いた1冊でした。 続きを読む

「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」 辻村 深月

事件を起こすなら、私のほうだと思ってた。

母を殺してしまった娘と、母との確執を抱える娘。どんな母娘にも起こりうる悲劇。

地元を飛び出した娘と、残った娘。
幼馴染みの二人の人生はもう交わることなどないと思っていた。
あの事件が起こるまでは。チエミが母親を殺し、失踪してから半年。
みずほの脳裏に浮かんだのはチエミと交わした幼い約束。

彼女が逃げ続ける理由が明らかになるとき、全ての娘は救われる。

本当は、目を背けたくなりました。

心が随分えぐられました。 続きを読む

「ぼくのメジャースプーン」  辻村 深月

「書き終えるまで決めていたのはただ一つ、
      <逃げない>ということ。――私の自信作です」――辻村深月

ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった――。
ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。

チャンスは本当に1度だけ。これはぼくの闘いだ。

物語のクライマックスに向けて、すごく求心力があって、ついつい一気読みをしてしまった1冊です。小学生が主人公なだけあって、シンプルな、だけど大人でもすぐに答えられない、「正しい答え」のない問いかけが溢れていました。 続きを読む

「盲目的な恋と友情」 辻村 深月

一人の美しい大学生の女と、その恋人の指揮者の男。そして彼女の親友の女。
恋にからめとられる愚かさと、恋から拒絶される屈辱感を、息苦しいまでに突きつける。
これが、私の、復讐。私を見下したすべての男と、そして女への―。
醜さゆえ、美しさゆえの劣等感をあぶり出した、鬼気迫る書き下し長編。

元タカラジェンヌの娘であり育ちがいい美女、蘭花。
外見にコンプレックスがあり男嫌いな、留利絵。
どちらも極端に恋、あるいは友情に情熱の比重を懸けていて、いびつな執着心に何とも言えない気持ちになりました。もやもや。 続きを読む

「ツナグ」 辻村 深月

一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者(ツナグ)」
ツナグの仲介で再会した生者と死者は、一晩の再会で何を話し、どんな想いを伝えるのだろうか。


メジャーな作家さんながら、初めて読んだ辻村さんの作品です。
映画化もされている有名な作品「ツナグ」

装丁からきれいな物語かと思いきや、思いのほか毒や闇が混ざっています。感動を与えながらも心をえぐる1冊でした。
どうしても死者に会いたいと人が思う時、それは強い悔いや想いがある時でしょう。
恋しい気持ちから死者に会いたくなることはあっても、きっと私はツナグを探さない。
そしてそれは、幸せなことなんだと思います。

特に印象的だったのは、「親友の心得」と「待ち人の心得」。
待ち人の心得では大泣きをしました。救いがあるけど、切ない。
そして、親友の心得ではとてつもない後味の悪さを感じ、心がもやもや。辻村さんの見せ方が上手い。

死は美化されやすいし、ともすると単に美しい感動モノで終わってしまうところを、人間味溢れるスパイスで仕立てているのが魅力的でした。
時間を置いて、また辻村さんの作品は読んでみたいところです。

★★★★☆

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